〜 武部好伸先生の御本紹介〜

U2関係の友人が広報活動をしている<血の日曜日事件>の犠牲者の遺族を支える団体 Bloody Sunday Trustとメルマガが縁でメールのやりとりをさせていただいている 武部好伸先生のご本を紹介します。
あまり学術的過ぎると私の頭では手に負えなかったりするのですが、武部氏の本は どれも非常にわかりやすく、現地で出会った人々とのやりとりも臨場感があります。
知られざる情報も網羅しているので旅行の手引書としても最適です。


北アイルランドケルト紀行

彩流社
2000円+税

ともすれば紛争ばかりがクローズ・アップされがちな北アイルランドを 文化的歴史的な視点から語ってみせた斬新なケルト紀行本。
しかし、元新聞記者である筆者は紛争の影を見過ごすことなど決して できなかった。というより、文化的資産と紛争が隣り合っている ので嫌でも目に入ってくると氏は語る。 私も訪れたベルファスト、デリー、エニスキレンなどの記述が 興味深い。
私の友人Kさんが支援活動をし、配布パンフレットを翻訳している <Bloody Sunday Trust>に関する記述もあります。

驚いたのはあのタイタニックを建造したハート・ランド・ウルフ社が倒産寸前だということ。 一つの時代に終止符を打ち、新たな時代へと飛躍する北アイルランドを象徴しているようでも あります。


スコットランドケルト紀行

彩流社
2500円+税

スコットランドの中で未だにゲール語が日常的に使われているヘブリディーズ諸島を 旅したケルト紀行。正直、私にとってスコットランドは北アイルランドよりも馴染みがなく、 エジンバラ、ネス湖といったイメージしか持ってなかったのだが、この本を読むと 確かにスコットランドにも濃いケルトの血が脈々と流れていることを実感させられる。
冒頭の写真が美しく、石造りの家は、いかにもケルトっぽい。


スペインケルト紀行

彩流社
2000円+税

ケルトというとまずほとんどの人がアイルランドを思い浮かべるだろう。
また、英国ウェールズやスコットランド、コーンウォール、フランスのブルゴーニュ 地方までは容易に連想することができる。
しかし、一体、誰がケルトとスペインを結びつけることができるだろうか。
ありきたりのケルト探訪では飽き足らないと言う筆者はスペインのガリシア地方を 訪れた。そこにはローマ帝国の支配下に置かれながらも、独自のケルト的文化や習慣を 守ってきたケルト・イベリア人の生きた証が確かにあったのだ。
完全にラテン化されたスペインで、古代ケルトの集落などを訪れ、そこにケルトの 片鱗を見出そうとする氏には頭が下がる思いがする。


ケルト映画紀行

論創社
2000円 + 税

私のバイブル。
お馴染みのアイルランドの他、ウェールズ、スコットランド、コーンウォール、マン島 を舞台にした映画を社会的文化的背景を盛り込みながら紹介。
特にアイルランドを舞台にした作品は硬質かつ上品な味わいの英国映画とも娯楽一辺倒の ハリウッド映画ともどこか一味違い、素朴な暖かみを感じさせると同時に郷愁をも呼び起こします。
しかし、北アイルランドを舞台にした作品はほぼ例外なく紛争が背景になっており、 紛争に触れていない作品が作られた時、アイルランドに平和が近づいた証だと氏は語っていますが、 最近の雪解けでそれが少しづつ現実になってきているのが喜ばしい限りです。



他に武部先生は、ナビオ阪急のサンケイのカルチャー倶楽部にて映画塾をされています。
基本的に奇数の水曜日(午後零時半〜2時半)に開催。(しかしまあ腹の減る時間帯だ)
残念ながら、私はこの時間帯は行けないのですが、 関西方面で興味のある方は問い合わせてみてはいかがでしょう?
まあ、この時間帯ということで年配の女性が多いのだそうですが。
ナビオ教室の電話番号は、06−6361−6300です。