ウィーン

ウィーンに着いた時には既に1時を回っていた。 バスの窓から見えるウィーンの街は優雅さに満ち溢れ、ウィンナ・ワルツなどが 聞えてきそう・・ 曲線模様の装飾をあしらった建物は、どこかパリを思わせるが、 パリよりも高貴な感じがするのはかつてここにハプスブルグ一族が君臨していた事の 名残だろうか。
昼食は街のレストランでウィンナー・シュテツェルを頂く。要するに牛のカツレツの 事だが、食べなれている事もあり、今まで食べたものの中では日本人の口に合うが 取りたてておいしいというものでもない。しかし、せっかくウィーンに来たのなら 話の種に一度は食べておくべきだろう。
2時から市内観光へ。まず、ハプスブルク家の至宝、シェーンブルン宮殿へ。 贅を凝らした作りはさすがにすごいと思わせるが、人いきれがものすごく、非常な 圧迫感を感じる。ハード・スケジュールで疲れている事もあり、正直言ってこういう 宮殿見学は余りありがたくない。私は街をウロウロする方が好きなのである。 できるならオットー・ワーグナー作のアール・ヌーヴォー風アパートなどを見学した 後、カールス・プラッツ駅跡のカフェでお茶でもしてのんびりと過ごしたかったのだが、 団体行動は勝手な行動が許されない。
観光のメインはシェーンブルン宮殿で後は、バスで観光ポイントを巡るだけなので 4時には解散。6時半まで自由時間となった。 思いがけない自由時間ができたので迷う事なく美術史美術館へ。幸いにしてそこへは、 解散場所のオペラ座から歩いて10分の距離である。
ここにはルネッサンスの名画が多数保存されているが、ティツィアーノやカラヴァッジオの 絵が見れたのは収穫だった。美術品の素晴らしさもさる事ながらこの美術館そのものが一種 の優れた芸術品であり、中を散策するだけで楽しい。改めてハプスブルク家の力を再認識させられる。 この美術館は、ハプスブルク家のコレクションを中心に1881年に建てられたものでヨーロッパ 中から集められた8000点の絵画を筆頭にエジプト・ギリシャの美術品など総勢40万点の コレクションを誇っている。全てを見て回るには丸一日かかり、当然の事ながらわずかな 自由時間では見るものが限られてしまうので絵画だけを集中して見る事にした。 絵画鑑賞の後、ここのカフェで休憩をしたが、このカフェがまた素晴らしい。 値段もリーズナブルだし、見学に疲れたらここで小休止を取りながら一日ゆっくりかけて見学する というのが理想的だろう。
6時少し前に集合場所のオペラ座に行き、近くの繁華街ケルントナー通りを散策する。 散策と言っても残念ながら休日でほとんどの店が閉まっている。ヨーロッパの人は人の出が 多い日曜日に店を閉めてしまうのはつくづく不思議。日本の常識では割り切れないという 事だろうか。休みだが、中心地という事で観光客が結構ウロウロしているので結構 人通りは多い。それにヨーロッパの店は店は閉めていてもウィンドーに飾られている商品は ガラス越しに見えるようになっているのでウィンドー・ショッピングだけは楽しめる様になって いる。

バスから何やらお洒落なタワーが見えるが、これが何とゴミ焼却場だという。 まるで、モニュメントの様だが、街の景観を損なわない様にとの配慮である。ガイドさんは 味も素っ気もない近代的なインターコンチネンタル・ホテルが街中にある事を嘆いていたが、 日本もこういう感覚を見習って欲しいものである。

夕食はウィーン郊外の町にあるホリイゲで取る事になった。ホリイゲとはウィーン風居酒屋 の事。生演奏も聴かせてくれるが、何故か店内は日本人とアメリカ人団体占められていた。 チップを渡すとバンドの方がリクエストに応えてくれる。ツァー御用達の店なのでかなり観光ズレ しているが、ここは町全体がそんな感じなのかも知れない。個人旅行の方は市内の余り知られていない ホリイゲなどに行かれるのもいいだろう。
食事を終えるとそこから30分程の位置にあるプチ・ホテルに向かう。 部屋は狭くシャワーしかないが、こ奇麗で自由旅行の時ならば上等の部類に入るだろう。 だが、今までに泊まったホテルと比べるとどうしても見劣りしてくるから不思議である。 人間は贅沢に慣れるとレベルを落せないから困ったものである。