ブダペスト

ツァー最後の日はブダペスト半日観光である。
朝、例によってレストランで昼食を採っていると同じツァーの人が、早朝 ホテル周辺を散歩していると警官の格好をした3人組にパスポートを見せろと 言われたらしい。言葉がわからない振りをして無視しているとあきらめて向こう に行ってしまったらしい。プラハにいた時、スリ、置き引きのたぐいが多いから 注意を促されたが、ブダペストの方がより狡猾な詐欺が多発しているらしい。 私たちも前日の夕方、ホテル横の公園を散策していると何やら話し掛けて来る男が いたのでやはりわからない振りをして無視したが、「チェンジ」という単語が 聞えたのでおそらくこちらは闇両替だったのだろう。
事情がわからないだけに慣れたアメリカより始末に負えない所がある。アメリカや ヨーロッパならばいやという程情報が入ってくるが、こちらの方はさっぱりだからだ。 9時、半日市内観光に出掛けるが、バスの中でガイド氏が朝耳にした話について 詳しく説明してくれた。社会主義体制が崩壊してから近隣のアラブ諸国から不法 労働者が流れ込んで来るが、仕事にあぶれた連中が警官の格好をして観光客にパス ポートの提示を求め、そのまま取り上げて逃げるという手口だ。日本人のパスポートは 特に高く売れるのでよく狙われるらしい。北朝鮮人か中国人にでも売るのだろうか。 何にしても気をつけるに超した事はない。

バスは川を渡ってペスト地区にある英雄広場へ・・ ここは1896年、ハンガリー建国 1000年を記念して作られた広場だが、パリのバスチーユ広場、ロンドンのトラファルガー 広場に匹敵するのだろうか。
中央にそびえるモニュメントの最長部には大天使ガブリエルの像が立つ。 塔の背後には半円形に2つの列柱があるが、柱の間に立つ14人の像は建国にちなんだ ちなんだ英雄達だ。英雄広場の左側にはギリシア神殿風の建物は国立美術館で エジプト・ギリシア・ローマ・などの古代美術、イタリア、ルネッサンス絵画や フランドル絵画などが常設されているらしが、残念ながら今回は時間がなくて 行けなかった。重ねて言うが、夕食付きなのが恨めしい。
英雄広場の北側には、約1平方キロメートルに渡る広大な市立公園があるが、ここに 動物園や植物園、遊園地などと共にセチェニー温泉があり、市民の憩いの場となって いる。自由旅行ならばこの後公園の散策と洒落込みたい所だが、15分ほど説明と写真撮影 を終えると英雄広場を離れ、バスは聖イシュトヴァーン大聖堂へ。 この教会は、ハンガリーの初代国王で、聖人のイシュトヴァーンを祭っている。 確かに美しい教会だが、ハンガリー王に何の思い入れもないのでいくら素晴らしい 教会でも同じ様なのを何度も見ていると食傷気味になって来る。エルサレムの聖墳墓教会 などキリストゆかりの場所は新約聖書の物語を知っているだけに見ていてあきなかったが・・。 入り口にホームレスらしい女性がお金を無心している。これは社会主義時代には見られ なかった光景だ。新しい時代に即応できない人間はどんどん振るい落とされるシビアな 現実がそこにある。収入は、普通の人と稼ぐ人との差は日本ではせいぜい10倍位だが、 ここハンガリーでは数十倍、100倍というのは当たり前らしい。

その後、あの有名なくさり橋を通ってブダ側の王宮へ。この辺りの造りはプラハに似て いるが、元々、ヨーロッパの街は非常に似通った所がある。川と街を見下ろすように 王宮や教会が建っているのだ。
この地区の見所は何と言っても漁夫の砦とマーチャーシュ教会だろう。 漁夫の砦はブダの丘を取り囲む城壁の一部に立つネオ・ロマネスク様式の砦。 19世紀の独立戦争の際、漁夫がここに立て篭もって街の防衛にあたった為にこの 名前がつけられたという伝説があるが、真相ははっきりしない。 砦と言うには余りに華麗なこの城壁は、市民の格好のデートコースとなっており、 ここから眺めるくさり橋とペストの街の眺めは最高である。
マチャーシュ教会は、ロマネスク様式の教会だが、中の装飾は教会はもう食傷気味の 私でも目を見張らせる程の素晴らしさだ。アール・ヌーヴォーがこの辺の装飾からも 影響を受けたのは明らかだ。
観光を終えてゲレールトの丘にあるレストランに行き、昼食はここで採る事に。 この店でも生演奏をしているが、中には日本人スタッフもいてハンガリアングラス 等が売られている。安かったので買えば良かったのだが、この時はガラス製品を 持ち歩くのが億劫だったのである。


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