昼からは自由時間である。やはり食事に1時間以上かかってしまってもったいない。
あの値段で全食付きというのは本来ありがたがらなくてはならないはずだが、時間の節約と
いう面ではこれほどやっかいなものもないという気がしないでもない。
少なくとも自由時間時は昼食、夕食共にない方がいいと思う。夕食の時間に合わせて待ち合わせ
場所に行くのが大変なのだ。インターコンチネンタルまで解散、7時にホテルロビーに集合では
ちょっと落ち着かない。同じツァーの他の人からは何の不満も聞かれないが、ツァーが当たり前
だと何も感じなくなるのだろうか。
インターコンチネンタルからブダペスト一の繁華街ヴァーツィ通りに行ってみる。
ここは歩行者天国になっていて、左右には店が建ち並び、歩いているだけで楽しい。
品物も豊富でとても旧社会主義国とは思えない。しかし、値段の方を見るとこれも西側並みか
それ以上でおそらく観光客か金持ちしか利用しないのだろう。
しかし、物価の高いブダペストにも市民が利用する中央市場がある。
私たちは、ヴァーツィ通りから中央市場に向かって歩いたが、ヴァーツィ通りの外れになると左右は
普通のアパートといった風になり、人通りも少なくなる。そこでTVドラマか何かのロケを
やっていて思わず魅入ってしまった。スタッフは数人程しかいない。う〜ん、安上がりである。
この通りでHard Rock CafeのTシャツを売っていてブダペストにもハード・ロック・カフェがある事
を知るが、800円と安かったので思わず購入してしまう。このシャツは旅行中は着ていたが、
今では家で着る普段着になってしまった。
中央市場は自由橋のたもとにあり、駅を改造したといった感じの市場である。資料がないから
わからないが、昔の写真とかが展示されていてどうやらほんとに駅だったらしい。
廃駅を美術館にする、カフェにする、市場にする。ヨーロッパ人って何て粋なのだろう。
中央市場の中は1階が食料品売り場、2階が土産物店という構造になっていてわかりやすい。
食料品は実に豊富で見慣れないものも陳列してあって見ているだけで楽しく、人々は自由経済を
謳歌しているように思われる。しかし、商売人は良いが普通のサラリーマンは生活が大変らしい。
それでも贅沢品は手が出なくても食材品は安い。牛肉1キロ500円という日本では考えられない
値段で売っている。物価の違いはあるだろうが、それでも日本の8分の1位だから充分安い。
贅沢はできなくとも人々の表情は明るく、やはり自由というものはかけがえのないものだという
事を再認識させられる。北朝鮮などは生活が苦しくても政府に文句を言う事もできないのだから。
食料品売り場をざっと見て2階の土産物売り場に行ってみる。私はここでブダペスト名物のレース
を購入。母は刺繍をほどこしたブラウスを探しているが、これがなかなか思い通りのが見つから
なくて数件をハシゴ。店の人達は当たり前の様に英語を話し、ときたま「コンニチハ」「ヤスイデスヨ」
「ミテイッテクダサイ」等カタコトの日本語を話す。英語はもちろんの事、これからは商売人は日本語
ができた方が有利だというのは世界各国共通なのかも知れない。
何件かのハシゴの後、母は5000円弱のブラウスを見つけ、購入。手製の刺繍のブラウスにしては
安い方だ。
インターコンチネンタルの前でタクシーを拾い、ホテルへ帰ったが、ホテルまで歩いて帰った
というツワモノがいるが、確かに歩けない距離でもない。涼しければ散歩がてら歩いただろうが、
31度の暑さではとてもそんな距離を歩けたものではない。
カードキーをもらおうとすると同じツァーの人が「何か手違いがあってカードキーが使えないら
しいよ」と言うのを聞き、即フロントへ行って代わりのキーをもらう。たまたま同じツァーの人に
教えてもらったからわざわざ部屋まで行って引き返して来なくてすんで助かった。
まだまだ西側の様にカードキー社会が浸透してない旧東側ではこういう事もありえるのだろう。
7時、ハンガリアン・ディナー・ショーへ・・ ハンガリーの歌と踊りを見せてくれるわけが、
例によってバンドの生演奏もある。同じツァーの人に言わせると社会主義国の時は多くの
オーケストラがあり、国によって保護されていたが、資本主義によってその保護を失って失業し、
オーケストラの団員がこういうレストランやクラブに大勢流れているらしく、演奏のレベルは非常
に高い。お客からチップももらえるから実入りは団員時代よりいいかも知れないが、やはりオーケ
ストラに戻りたいだろうな。このディナー・ショーは最後という事で今までよりも同じツァーの人
と話すことができた。同じツァーの男性二人は温泉に行ったらしいが、私たちもウロウロしないで
温泉でゆっくりすれば良かったと思う。ショーが終わってもお迎えのバスがなかなか来ず、しばらく
レストランで待つ事になり、店はほとんど貸し切り状態、その間、バンドの人がサービスで演奏
してくれるという思わぬオマケがついた。
ようやくバスが来てホテルに戻るが、それにしても市街地からこんな離れた所では、飛び入りの
お客は見込めないだろうから、口コミか団体客専用なのだろう。ブダペストの市民はこんな店で
外食をする余裕はないだろうから観光客が来なければやっていけない店であり、改めてハンガリー
は、観光客で成立っていると思わせる。バスが川の方に向かうとライトアップされた鎖橋が夜景に
浮かび上がり、その幻想的な光景に息を呑む。ヨーロッパの夏の日は長く、夜景を見ようと思ったら
わざわざ9時以降に町に出なければならず、ホテルが中心から遠い所にある為ほとんどあきらめて
いたのだが、最後にいいものを見れて大満足。残念ながら写真には撮れないのでしっかりと心に
焼き付けた。次回は是非とも町のド真ん中のB&Bか何かに泊まって夜景を満喫したいものである。
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