コロセウム


 コロセウムはローマ観光のハイライトであり、ローマ帝国に興味のないものさえもその巨大さ、重圧感を感じさせる程の迫力には感嘆の溜息を漏らさずにはいられない。85年にツァーで訪れた時はほとんど予備知識もなく、ただガイドの後をついて回っただけだったが、塩野七生の『ローマ人の物語』にすっかりハマってしまった私は、2002年に実に17年ぶりにローマを訪れた時には、まっすぐにここに向かった。やはり思い入れがあるのとないのとでは遺跡の見方も違ってくる。 ヴェネツィア広場からフォーリ・インペリアーリ(皇帝通り)をフォロ・ロマーノに向かって歩いていくと巨大な建造物が視界に飛び込んでくる。
 その円形状の建物の醸し出す迫力にはここを訪れる誰もがが圧倒されてしまう。廃墟となった今でも、当事のローマ帝国の威光を放ち、人々を圧倒するのだから、これが実際に闘技場として機能していた頃にはどれほど人を魅了し、また威圧感と畏怖を与えてきたか想像に難くない。 このような巨大な建築物が約2000年前に建てられたという事実にただただ驚くばかりである。 入場料は8ユーロと他の遺跡に比べるとやや高めだが、この巨大な遺跡を保存修復する費用に当てるのだと思えばそれも仕方のない事だろう。
 コロセウム周辺にはローマ軍に扮した人達がいて、記念撮影を呼びかけている。相場は2ユーロから10ユーロだが、未だに金持ち日本人という認識がまかり通っていて、人の良い日本人観光客の中には50ユーロも請求された者もいる。最初の交渉が肝心。
中に入ると三層の客席と床板が取り払われ剥き出しになった地下の構造が見て取れる。ここに出番を待つ剣闘士や動物達が収容されていたかと思うと石の壁にはここで命を落とした剣闘士や動物達の怨念がこびりついているような気がした。


床が抜けて地下が剥き出しになった内部。



夜のコロッセオ。